副業を始める前に知っておきたい知識・3

給与収入が減っていく現在、副業でせめて小遣いだけでもと考えている方は大勢いらっしゃるのではないでしょうか?「本業を持ちながら気軽な副業だと思い始めて、怪我やトラブルに巻き込まれ、大きな損失を受けた」なんて話も実はよく聞きます。セカンドキャリアを構成しようと思い始めた副業で思わぬトラブルに巻き込まれないように、事前に知識を付けておくと安心ですね。


今回は企業が従業員を訴えたケースをご紹介します。極めて稀ですが、ない話ではないので、知っておいて損はありません。



 会社と従業員がもめるケースとはなにか?


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2008年に世界的に影響のあった「リーマンショック」を覚えているだろうか?その時筆者は製造業に身を置き、その影響をモロにかぶり、就業時間短縮、土日休みに加えて金、月曜休みというとんでもなく収入が減った時期があった。


以前このブログでも紹介したように、これまで仕事といえば製造業で、しかも管理職に近い身の置き方だったため、この時の収入減は「生活できるのか?」というほどの不安にかられた。


ちょうどその年の中小企業診断士試験に合格し、今があるわけだが、このときほどセカンドキャリアを考えた時期はなかった。


周りを見渡すと、休みに当てられた金曜日にコンビニの深夜バイトを入れたり、パチンコ店で清掃のアルバイトを始める者もいて、皆不安が広がっていたのである。


そんなおり、私の部下(女性パートさん)が私の上司によばれ、その月で解雇通告を受けた不当解雇に近いからなんとかならないか?と相談をうけた。聴けば「キャバクラで働いていたらお客として部長が来た、事実をバラされたくなかったら愛人契約を結べ」という、パワハラに近い物言いだったという。


すぐさま社のコンプライアンス部門に不当解雇の訴えを出し、部下の解雇を取り消して貰おうと動いたが、その部長の方が早く動いていて、私の訴えと働きながら国家試験を受けたことが就業規則違反だとして社のコンプライアンス部門と部長会に査問委員会を開かれてしまった。立場を利用した不法行為だったが、診断士の合格通知が来て大企業に務める理由もなかった事から査問委員会で部長の悪事を写真付きでバラし、辞表を叩きつけた。


上司にしてみれば「言うことは聞かない、仕事は自分より早い、会議じゃ正論を振りかざす」といった使いにくい社員だったため復讐にでもあったのだ、と思っていた。ちなみにこの件、始末書どころかその部長を島流しにして痛み分けだったのだが。


今思うと裁判でも勝てる証拠を掴んでいたため、出るところまで出れば勝てたように思える。やっとけばアホな部長の鼻くらい明かせたなとちょっと後悔している。


もちろん筆者の事例はかなり特殊。今までに副業を問題視されて訴えられた事案はそんなに多くない。むしろ調べてもでてこないことから、「就業規則」に則って会社内部で処理した事案の方が多いのではないだろうか?


その場合は勤めている会社がその人個人に副業を辞めさせて、始末書を書かせ、部署を移動するという処置がほとんどなので、表沙汰にならないと聞いたことがある。


しかし解雇となるケースも数は少ないが存在している。


何をしたら解雇になるのか?一例を上げてみる。


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流石に今は解雇までのプロセスが複雑になっているため、勤めている会社を解雇となると相当な損害を会社に与えるか、不利益をもたらしたか、パワハラをしたか、セクハラで訴えられたか、公共交通機関で置換を働いたか、犯罪に走ったかなのだが、普通に生活していて、アルバイト程度の副業で解雇されることは殆ど無い。


調べたり仲間に聴いたりしたが、やはり始末書→部署異動がほとんど。その代わり、時代なのか不倫や不貞行為が発覚して自主退社はあり得ると聞く。


1件だけだが、副業でチラシのライティングを請け負っていて、どうしても時間が足りなくなってしまい、会社のPCでチラシを作成。しかも部下に手伝わせていたという事例があった。


ライティングの副業は悪くないのだが、会社のPCを使っての作業は流石に就業規則違反だ。即刻始末書→部署異動となったのだが、あとでその子のPCを調べたら私物化していて会社の情報(経理だった)が何者かに筒抜けだったことから解雇となった。


この事例の場合、会社に不利益を与えたことになるため、正当な解雇である。


ここまでひどい解雇事例は本当に表沙汰にならない。しかし世の中にはここまでしても勧告されても不当だと訴える人もいる。正当な理由で不当解雇と訴えるならうなづけるが、次に上げる解雇事例はちょっと振り返れば自分の不正が判るだろ!と言いたくなる。


小川建設事件

時期:1982年


経緯:就業時間後にキャバレーで勤務することを11ヶ月続け解雇となった。


判決:解雇は有効


解雇後に不服として民事裁判を起こした事例。しかし勧告されたにも関わらず続けたこと、お客として従業員を誘っていたことが心象を悪くして判決は訴えを退ける判断だった。


ナショナルシューズ事件

時期:1990年


経緯:商品開発部長という要職にありながら、同業会社を経営してた。


判決:解雇は有効


これも解雇後に民事で裁判を起こした事例だ。要職に付きながら同業会社を設立、しかもノウハウを知っているからとそれを続けるのはあまりにも稚拙。会社にも不利益だし何より節操がない。断罪されるのは訴えた側に思える。


ジャムコ立川工場事件

時期:2005年


経緯:病気療養中に自営業を手掛けた。


判決:解雇は有効


病気療養中の就業規則はけっこうどこの会社も厳し目に記載されている。会社にしてみたら(理由がどうあれ)利益にならない社員に僅かでも給料を出しているのだから、自営業で飄々と儲けられたらたまらない。


 


有名な解雇事例は上記の3点。どれも理由があっての解雇のため、不当解雇に当たらないと判決が出ている。会社に不利益とは、自分もその会社の一員で、社会保障をそこの会社に任せているだから、やはり不利益になる副業は行うべきではないのである。


特にノウハウはその会社のもの。自分が身につけたのであって、自分で開発したノウハウでないのならプライベートで使うべきではないのである。


次に解雇は不当と判断された裁判のケース


十和田運輸事件

時期:2001年


経緯:運転手が年に1~2回貨物運送のアルバイトをしていた。


判決:解雇は不当


 業務内容に支障がない範囲だったため解雇は無効と判断されている。年間1,2回の副業は本当にお小遣い状態だから解雇までは行き過ぎと判断されたのでしょう。


東京都私立大学教授事件

時期:2008年


経緯:本業の他に副業で通訳などを行なった。


判決:解雇は無効


副業が夜間や休日だったため本業への支障は認められず判決は解雇は無効であると判断された。私学の大学教授は結構TVや雑誌に露出しているのだから、学校の名前を売るいいチャンスだと思わなかったのかと疑問に残る事案。


 


裁判所の判断は本業に支障があるのか?本業に不利益なことなのか?が判断基準になっている。ご自分が行う副業が、誰のためであるか?を考えて行えばこのように裁判沙汰にまでは発展しない。なので区別の付けられるセカンドキャリアを選ぶのも、一つの手段である。


リーマンのような大不況は再びくるのか?


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周年ごとにやってくる景気の浮揚は当然、人為的な不景気リスクは常にあると思っていい。


それを踏まえて、今後副業に対する意識が変わる中、会社が副業禁止を求めればその言うことを聞かない従業員も出てくる。(実際居る)


そうなると労働審判や訴訟で争わなければいけないのだが、なにせ従業員という立場は圧倒的に就業規則に縛られていることは自覚していなければならないのだ。


一番いい方法は「セカンドキャリア形成のため〇〇やります!」と会社側に堂々と宣言して、副業を行うこと。


就業規則を盾に会社側からは副業禁止を求められたら、その規則がいつのものか?時代にそぐわないのではないか?と少しだけパワーを使って会社の意識を変えてみるのも手段だ。


とにかく労働審判や裁判は時間も費用もかかる。それを避けるためには「筋を通す」ことが大切だと思うのだが、どうだろうか?